車を売却する時に査定をしてもらうと思います。
しかし初めて査定を受ける場合はどんなところを見て査定するのかわからないでしょう。
そんな時に思うのは
- 車の査定基準を知っておくことで買取に役立てたい
- 車の査定を受ける前に準備をしたい
- 査定の時に査定額がアップする方法を知りたい
といったことではないでしょうか?
たしかに車の査定額を決めるには、基準があってその基準に基づいて価格を決めています。
そのため査定基準を知っておいて、対策ができれば査定額はアップするでしょう。
では査定をおこなう時の基準や、どんな条件で査定額がどれくらい変わるのかを詳しく解説していきます。
車の査定は何を基準におこなっているのか?
車を高く売りたいと考えているのであれば、買取店やディーラーで査定を受けると思います。
そのため査定の基準を知っておくことが大事です。
査定を受ける前に中古車検索サイトなどで調べれば車の相場価格はわかりますが、より高い価格で買い取ってもらう方法までは知ることができません。
そこでまずは車を査定する時の基準を解説していきます。
車の査定はJAAI「中古車査定基準」を元におこなう

車を査定する時の基準は、一般財団法人日本自動車査定協会が出している「中古車査定基準」を元にしています。
ディーラーや買取店はその基準を使って、独自の査定基準を設けて査定をしているのです。
査定基準 | 見るポイント | 査定額への影響度 |
車種 | 人気車種か | 大きい |
年式、走行距離 | 年式と走行距離 | 大きい |
外装の状態 | キズや凹みの状態 | 大きい |
内装の状態 | 汚れや喫煙の有無 | 大きい |
タイヤの溝 | タイヤの溝の残り | 小さい |
塗装の状態 | 塗装が剥がれていないか | 普通 |
付属品の有無 | スペアタイヤの有無など | 小さい |
修復歴の有無 | 修復した車かどうか | 大きい |
このような基準に加えて、買取店やディーラーが売却する車をどれだけ必要としているかなどが加わって査定額が決まります。
また査定額の影響が大きい「車種」「年式」「走行距離」がわかれば相場がわかるので、インターネットを使えばだいたいの予想査定額を知ることができるでしょう。
査定額の相場を調べる方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
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では次にそれぞれの査定基準を査定員は、どこをどのようにチェックするのかや査定額を上げるポイントを紹介しましょう。
車の査定基準の内容を詳しく解説
ここまでにどのような査定基準があるのか紹介しましたが、具体的に査定員は車のどこをどうやってチェックするのでしょうか?
ここでは各査定基準を詳しく解説して、どうやったら査定額が上がるのかまで解説していきます。
査定基準「車種」

車を売却する時に一番影響力があるのは車種となり、査定基準の中でも大きな割合を占めています。
そのため人気車種ほど査定額は高くなり、不人気な車種ほど査定額は低くなります。
参考までにカーセンサーの人気ランキングを調べました。
順位 | 車種 | メーカー | ジャンル |
1 | プリウス | トヨタ | ハイブリッドカー |
2 | セレナ | 日産 | ミニバン |
3 | タント | ダイハツ | 軽自動車 |
4 | アルファード | トヨタ | ミニバン |
5 | N-BOX | ホンダ | 軽自動車 |
6 | ワゴンR | スズキ | 軽自動車 |
7 | ヴォクシー | トヨタ | ミニバン |
8 | ステップワゴン | ホンダ | ミニバン |
9 | ジムニー | スズキ | 軽自動車 |
10 | フィット | ホンダ | コンパクトカー |
※カーセンサー「人気ランキングTOP」より
ここにある車種は人気があるので高額査定も望めるでしょう。
しかしどんなジャンルの車が人気なのかを知っておくことも重要です。
このランキングを見てわかることは、「ハイブリッドカー」「ミニバン」「軽自動車」「コンパクトカー」が多いことでしょう。
つまりもし車種が違っていても、これらのジャンルに属している車ならプラス査定になる可能性があるということです。
査定基準「年式や走行距離」

車を売る時には、年式は新しく走行距離は短い方が高く売れます。
ただし中古車として査定額がつくのは、「10年10万キロまで」といわれています。
たとえば新車購入から10年以上経っている車や、走行距離が10万キロを超えている車は査定額がなかなかつかないでしょう。
他にも車検のタイミングで査定額は下がりやすく、「3年」「5年」「7年」「9年」が大きく変わるタイミングといわれているのです。
10万キロを超えたような車でも高く売る方法は、下記の記事を参考にしてください。
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査定基準「外装の状態」

外装の状態で査定額も変わってくるのです。
たとえばJAAIの「中古車査定基準」では、外装の査定基準は下記のようになっています。
チェックポイント | 標準時 | 加点になるもの | 減点になるもの |
外装の色 | 剥がれや再塗装がない状態 | 無傷(+40点) | 交換、再塗装がある(-10点) |
外装の状態 | 凹みやキズがない状態 | なし | 塗装・板金・交換歴がある(-10~180点) |
ミラー | 曇りや破損がない | なし | 修理や故障、交換歴がある(-5~30点) |
メッキ・モール・小部品 | キズがなく塗装剥がれがない状態 | なし | キズや修理・交換歴がある(-3~15点) |
査定の時には、10点が1万円という判断になるのが標準です。
この時に外装でチェックされる点は、
- 外装の塗装
- 外装の凹みやキズ
- ミラーの状態
- メッキやモール類
たとえば外装の色は元の色を保っていて、無傷の場合に加点されます。
他にも部品の交換や再塗装をした場合は減点され、全塗装をした場合は大きな減点となります。
その他の外装部品なども「無傷」「無修復」が基本となり、修理歴があれば減点となってしまうでしょう。
他にもキズやへこみでどれくらい減点されるのか気になる場合は、下記の記事を参考にしてください。
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車の買取でキズやへこみは減額?査定基準と回避方法の知識を公開!
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査定基準「内装の状態」

外装の他にも、内装にも査定基準はあります。
チェックポイント | 標準時 | 加点になるもの | 減点になるもの |
シートやマット類 | 破損と欠品、汚れやシミがない状態 | 減点になる要素がないもの(+20点) | シミや破損、喫煙やペット同乗歴がある(-10~50) |
天井や床など | シミや汚れがない状態 | なし | シミ、汚れ、タバコの焦げ跡がある(-5~50) |
内張りや付属品 | 欠品や汚れ、シミがない状態 | なし | 欠品、シミ、汚れがある(-2~100点) |
内装を見る時にチェックされるのは、主にシミや汚れとなります。
シートのヘッドレストや灰皿などがない場合は、マイナス査定。
シミや異臭がある場合もマイナス査定となります。
革シートの車の場合は、革が破れたりしていると最大で10万円ほどのマイナスとなってしまうので注意が必要です。
査定基準「タイヤの溝」

車の査定基準では、タイヤの溝は1.6mm以上残っているのが標準となります。
なお溝が1.6mm未満の場合は、9から35点のマイナス査定。
もし1.6mm以上の溝があっても、5mm以下の場合はプラスにもマイナスにもなりません。
なお5mm以上の溝が残っていた場合は、2から8点のプラス査定です。
また溝がない場合は35,000円の減額。
プラスでも最大8,000円ほどなので、査定のためにタイヤ交換は必要ありません。
査定基準「塗装の状態」

塗装は外装の査定基準の中に含まれています。
キズや凹みがなく、新車時から塗り替えることなく乗り続けていることが理想です。
なお1cm未満のキズや凹みは減点の対象とはなりません。
そのため普段使用してつく少傷なら、査定に影響はありません。
査定基準「付属品の有無」

付属品とは「スペアタイヤ」「灰皿」「フロアマット」「ヘッドレスト」といった部品のこと。
たとえばリモコンキーがない場合は、20点~40点のマイナス査定。
ヘッドレストは1個につき10点のマイナスとなります。
灰皿の場合は、2点のマイナス。
スペアタイヤは最大で82点のマイナスとなります。
それぞれそれくらいのマイナスとなるのか表にしました。
欠品しているもの | マイナス点 | 金額(概算) |
スペアタイヤ | 16~82 | 16,000~82,000円 |
リモコンキー | 20~40 | 20,000~40,000円 |
灰皿 | 2 | 2,000円 |
ヘッドレスト | 10~40 | 10.000~40,000円 |
保証書・整備手帳 | 10~40 | 10.000~40,000円 |
もしこれらがない場合、減額は10万円以上となってしまうこともあります。
そのため査定の時には、なるべく付属品を揃えておきましょう。
とくにディーラーで下取りする時は、純正状態に近いかが大きなポイントとなります。
査定基準「修復歴の有無」

これまで事故を起こさずにきた場合は、ここまで査定基準を注意していれば問題ありません。
しかし事故を起こして修理したことがある場合は、どこの修理がどれくらい影響があるのか知っておきましょう。
修復歴がある箇所 | 係数 | 減点数 |
クロスメンバー | 1.0 | 400~1100(40万円~110円) |
フロントサイドメンバー | 1.3 | 650~1750(65万円~175万円) |
フレーム | 1.5 | 1050~2850(105万円~285万円) |
減点数を「10点1万円」に当てはめると、最大で285万円の減額となってしまいます。
それでは査定額よりマイナスとなってしまうので、修復歴は別の計算式で減額する金額を決定します。
修復歴の減額は「√(車の基本価格×概算修理費用)÷4.8×係数」で計算されます。
車の「基本価格は査定額」のこと。
「概算修理費用は上記の表にある点数」です。
係数は修理箇所によって個別に設定されているので、それらを計算式に当てはめて減額する金額を決めます。
たとえば「査定額50万円」「リアサイドバンパー交換歴あり」の軽自動車は、「√(500×650)÷4.8×1.3=154.3」で15万4千円の減額です。
このように事故歴や修復歴は、査定で大きなマイナスとなることがわかりました。
できることなら「修復歴はない」と嘘をついて売りたいと思うかもしれませんが、嘘は必ずバレてしまうでしょう。
「中古で買った車で修復歴の有無がわからない」などの場合はしかたないですが、所有している間に事故を起こした場合は査定時に申告しましょう。
また修復歴となるのは、車の骨格部分を修理または交換した場合に限ります。
なのでバンパーをぶつけて交換したくらいでは修復歴とはなりません。
なおJAAIでは、車のパーツを下記のように規定しています。
※JAAI「中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕」より
もし事故車を高く売りたいのであれば、下記の記事を参考にしてください。
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JAAIの中古車査定基準では、「係数」というものが設定されています。
これは車種によって細かく決まってあり、減点数に係数をかけることで減額する金額を決める項目が数多くあります。
そのため目安としてしか機能せず、実際の査定を受けるまで正確な査定額はわかりません。
車の査定額アップの方法を紹介!
査定基準をすべて覚えようと思ったら、JAAIの中古車査定基準を覚える必要があります。
しかしそれは難しい話なので、査定基準を覚えなくても査定額がアップする方法を紹介しましょう。
査定額を上げる方法 | 効果 | 手軽さ | オススメ度 |
掃除、洗車 | 中 | カンタン | ★★★★☆ |
オプションパーツの取り外し | 中 | 大変 | ★★★☆☆ |
他社との競合 | 大 | 大変 | ★★★★★ |
それぞれ詳しく解説していきます。
「掃除や洗車」をして査定額アップ

内外装のキズや汚れは減額となります。
そのため査定の時に、「取れる汚れかどうか」を確認する必要があるしょう。
なぜなら査定基準では、掃除や磨きで取れそうな汚れやキズは減額とならないからです。
しかし査定する時に内装や外装が汚れていると、そのキズや汚れが取れるものかどうか判断がつきません。
その場合、取れない汚れやキズとなってしまう可能性があるのです。
なので事前に内装の掃除と洗車はしておき、キズや汚れはない状態で査定を受けましょう。
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オプションパーツは取り外して査定額アップ

ディーラーで下取りする場合は、オプションパーツを取り外しましょう。
なぜなら純正状態が一番高値となるからです。
そのため社外品のパーツは外してから売ったほうが高くなります。
たとえば、
- 社外品のアルミホイール
- 社外品のエアロパーツ
- 社外品のシートカバー
といったパーツは取り外して個別に売った方が高くなるケースがあります。
アルミホイールやエアロパーツは、状態が綺麗ならプラス査定になる可能性もありますが、シートカバーは必ず外しましょう。
シートカバーがついたままだと内装の汚れやシミが確認でないため、マイナス査定となる可能性があるのです。
他社と競合させて査定額アップ

査定額を上げるために一番必要なのは、買取店との交渉です。
買取店は少しでも安く買おうとするため、理由をつけて安い査定額を提示してきます。
そんな時は査定基準を覚えておけば、うまく交渉できるでしょう。
車査定の交渉方法については、下記記事で詳しく解説しています。
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買取店は複数の買取店を競わせることで、オークションのような状態を作り出すことができます。
そうすれば交渉なしで査定額をアップさせることが可能。
しかし複数の買取店を回るのはとても大変なので、自宅に居ながらでも利用できる「車一括査定サイト」を紹介します。
買取店を競合させる一括査定サイトが便利
買取店を競合させるには、複数の買取店に査定依頼をしなければいけません。
しかし何度も申し込んだり、何度も査定にいったり、手間と時間がかかってしまいます。
そんな時は車一括査定サイトを使えば、面倒な申込みや査定が一度で済みます。
では一括査定サイトがどんなものか、どうして車が高くなるのかを解説します。
車一括査定サイトはかんたんに高く売れる

車一括査定サイトとは、「複数の買取店への査定依頼」ができます。
車一括査定サイトを説明すると、面倒な複数社への査定依頼が一回で済んでしまうインターネットサービスのこと。
自分で買取店1社1社に査定依頼する必要がありません。
サイトから売りたい車の「車種」「年式」「走行距離」を入力すれば、面倒な申し込みが一度で済みます。
さらに申込みが終われば、各買取店から連絡が来るので査定日を調整するだけ。
指定した日に指定場所まで査定員がきて車を査定してくれます。
これなら手軽に各社の査定価格を比較できます。
査定日を同じ日にすれば、一日で車査定が終わります。
競合させると車が高く売れる理由

買取店は安く車を買って、高く売却することで利益が出ます。
そのため各社はそこそこの査定価格を提示するのですが、ライバルがいた場合はそうはいきません。
利益を減らしてでも買取をしないといけないので、出せる査定額のギリギリラインまで競い合うのです。
さらに車一括査定サイトで申し込みをすれば、各社はライバルがいる状態で交渉がスタートすることを知っています。
なので普通に店頭に持ち込むより有利になるため、結果的に高く売れるのです。
また利用する車一括査定サイトによって、選択できる買取店も変ってくるので注意が必要です。
参考までにオススメの車一括査定サイトを紹介します。
下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
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まとめ:査定基準を理解して車を高く売ろう!
ここまで車の査定基準はどのような項目があるのか解説してきました。
ただしい知識を持っていれば予め準備することができます。
しっかりと準備をしていれば、車も高く売ることができるでしょう。
少しでも高く売るために、最後にポイントを確認します。
- 車の査定基準は「中古車査定基準」というものがある
- 査定基準には減点数があり、車の状態に応じて減点される
- 車種ごとの係数というものを使って査定額を算出する
- 査定額を上げるためには買取店を競合させる
- 車一括査定サイトで複数の買取店を競わせれば車が高く売れる
これらを意識しておくことで車を高く売ることができるでしょう。
車の査定にはJAAIが作った「中古車査定基準」というものがあります。
買取店はそれをベースに独自の基準を盛り込んで査定額を決定するのです。
なので買取店によって、多少査定の基準は違うということ。
そのため複数の買取店に査定をしてもらうと、査定額に差が出ることがあるのです。
ということは買取店同士を競い合わせることで査定額がアップします。
しかも車一括査定サイトを使えば、かんたんに複数の買取店へ査定依頼ができるので自分が使いやすい車一括査定サイトを見つけましょう。