車を売却する時に心配なのは、車にキズがあったりへこみがあったりした時ではないでしょうか?
たとえば
- 擦ったキズがあるけど売れるのだろうか
- 細かなキズが複数ついているけど売るときに減額される?
- キズやへこみは直してから売った方がいいのかな?
などのことが気になると思います。
たしかに車はどうしてもキズはついてしまうものです。
しかしキズがついてしまうと心配になるのが、買い替えるときの査定額でしょう。
そんな査定の時に心配になるのが、
- キズやへこみがあっても買取してもらえる?
- 買取や下取りの時に査定額が下がってしまうのではないか
- キズの状態や大きさはどの程度査定に影響するのか
- キズがある車でも高く売れる方法はないのかな
といったことではないですか?
そんな悩みを解決するために、車のキズと買取査定の関係を詳しく解説していきます。
車にキズがついているけれど、少しでも高く売りたいと思う場合は参考にしてください。
買取の査定方法は減点方式が基本
中古車を査定する方法は、まず「車種」「年式」「走行距離」「グレード」などの基本情報をもとにして査定額を決めます。
それからマイナスポイントを減点していく減点方式です。
進め方としては「外装」「内装の状態」「エンジンの調子」など細かな点をチェックして、「ボディにキズがある」「シートが破れている」「エンジンが不調」などのマイナスポイントを見つけていきます。
それから日本自動車査定協会の「中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕」によって決められている点数を減点していくのです。
その時の点数は「1点=1,000円」で計算されます。
たとえば-10点の場合は1万円、-200点の場合は20万円が査定額から減額されます。
車にキズがあっても売却はできる

中古車を購入したことのある人ならわかると思いますが、かなりキレイな中古車でない限り、キズがない中古車は存在しません。
車は外を走るので、細かなキズがついてしまうのは当たり前です。
そのためキズのある車でも買い取ってもらうことは可能となります。
とはいってもキズの少ない中古車の方が需要は高いので、キズが多いと査定額は低くなってしまいます。
車についているキズといっても、「大きさ」「深さ」「へこみ」など状態はそれぞれ違うのです。
そのため買取査定では、大きなキズから小さなキズまでぜんぶチェックします。
よってキズの状態に応じて査定額は大きく変わってくるのです。
車の査定でキズによる減額目安はどれくらい?

キズがある状態でも売却できることはわかったと思いますが、気になることはいくら減額されるのかということでしょう。
査定の時キズをチェックする際にポイントとなるのが、キズの大きさと状態です。
キズの大きさは「中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕」の「車両本体の評価」を参考にすると、1cm未満のキズやへこみは減点なしとされています。
そのため小さなキズは心配しなくても大丈夫です。
そしてキズの種類は、
- 爪の引っかからない浅いキズ
- 深いキズやボディの下地が見えるキズ
- へこみがあるようなキズ
の状態にわけて判断します。
さらにそのキズの大きさによって、減点される点数が変わってくるのです。
ではそれぞれのキズがどの程度減点されるのか、下記の表を参考にしてください。
査定区分 | キズやへこみの状態 | 点数 |
修理 | 爪の引っかからない薄い擦りキズ タールの付着 水垢 | -5 |
塗装 | カードサイズ以下(1〜9cm) | -10 |
A4サイズ以下(9〜30cm程度) | -10〜-20 | |
A4サイズ以上(30cm以上) | -15〜-40 | |
板金 | A4サイズ以下(9〜30cm程度) | -15〜-50 |
A4サイズ以上(30cm以上) | -20〜-80 | |
交換 | 該当部品の交換 またはパネル面積の1/2以上板金 | -65〜-180 |
※1点=1,000円の減点で計算
※目安のため実際の査定結果とは異なる場合もあります。
この表を見てわかると思いますが、査定では磨きや水垢落としだけの場合は「修理」に区分されるので-5点(5,000円)となります。
「塗装」「板金」「キズの度合いや大きさ」などが大きくなるのにつれて、減点される点数は増えていきます。
しかし水垢やタールといった頑固な汚れを落とすだけでも、減点項目を減らすことが可能です。
そのため査定前に洗車をしておけば、減点される点数も減らすことができるかもしれません。
ではキズの種類(状態)についても詳しく解説していきましょう。
爪が引っかからないような浅いキズ
爪が引っかからないようなキズとは、塗装の表面のみにキズがついている状態のことです。
このキズはコンパウンドなどの研磨剤を使って磨けば消すことができます。
ドアやトランク付近につきやすいキズで、人の爪や洗車機のブラシなどが原因です。
また市販のコンパウンド剤やワックスなどを使えば、キズに入り込んだ汚れを落とすことができ、ボディの色によってはキレイに消すこともできるでしょう。
査定の時には大きな減点とはなりませんが、査定前の洗車の時に軽く磨いておくと余計な減点を防ぐことができます。
深いキズやボディの下地が見えるキズ
爪が引っかかるような深いキズの場合は、かなり深いところまでキズが達しているため表面を磨くだけでは消すことができません。
このキズを修理するには、キズ周辺の塗装を削って再塗装する必要があるため、板金工場などの専門業者に依頼する必要があります。
そうなると修理するのに費用が必要となり、減点幅も大きくなってしまうでしょう。
へこみがあるようなキズ
外装パネルにへこみがある場合やバンパーが削れている場合は、塗装のみをおこなう場合に比べて格段に作業の難易度が上がります。
さらに専門時な知識と経験が必要となるため、修理費も高額で仕上がりにも差が生まれやすくなってしまうでしょう。
そのため中古車として再販する時に費用をかけて修理する必要があるため、査定時には大きく減点されてしまいます。
キズがあっても修理に出さないほうがいい
ここまでに解説したように、キズの状態や程度によって数万円単位で減額されてしまうこともあるため、「キレイに修理してから査定を受けた方がいいのでは?」と思われるかもしれません。
たしかにキズがないほうが減点される点数は少なくなるので、査定額は高くなります。
しかしキズを修理しないで査定を受けた方が、最終的には手元に残るお金は多くなるでしょう。
先ほどの表を見るとわかりますが、塗装のみで修理できる小さなキズの減点は10点で減額される金額は1万円です。
しかし簡易的な板金でも、約1万5千円ほどの工賃がかかります。
そのため修理して減点されなかったとしても、修理にかかった費用を上回る査定額を出すことは難しいということです。
また査定はプロの査定士がおこなうので、たとえ修理してもらっても修理箇所以外の塗装の状態がよくなければ、修理したことは見破られてしまいます。
したがってボディについてしまったキズを修理してから査定に出すと、損をしてしまうことになるかもしれないのです。
自分で修理するのはオススメしない

板金工場などで修理をすると修理費用がかかるので、「費用を抑えて自分で修理すればいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし自分で修理をおこなうのは、余計に減点される可能性が高くなるためオススメできません。
自分で修理するとキズが目立ってしまう
自分で修理することがオススメできない理由は、修理前よりもキズを目立たせてしまうことがあるからです。
ボディのキズを修理する場合は、磨いたり色を塗ればいいというわけではありません。
経年劣化で変色しているボディの色に合わせて、塗装する必要がありもともとのボディと馴染ませながらおこなう特殊な技術と経験が必要となります。
そして同じようなキズでも、ムラがあったり表面がデコボコしているよりも何もしていないキズの方が目につかないこともあります。
たとえばやりがちな修理方法で、タッチアップペンによる補修があります。
タッチアップペンを使えば、パッと見ただけではわからないくらいに修復することも可能です。
しかしキズをほんとうにわからなくするためには、高い専門技術と豊富な経験が必要となります。
また仕上がりの状態によっては余計な修理が必要となったり、余計な減点を増やしてしまう恐れもあるのです。
自分でできることは洗車と磨き
タッチペンなどを使用した補修は、余計に減点を増やしてしまうため、自分で補修することはオススメできません。
ただ何もできないというわけではありません。
少しでも減点を減らすには、洗車と磨きをすることです。
洗車は特に注意することはありませんが、査定前の洗車ならば自分で手洗い洗車をしましょう。
手洗いで洗車すれば洗車機のブラシでついてしまう洗車傷を防ぐころができたり、落ちにくい汚れも落とすことができます。
なお薄いキズを目立たなくする磨きについては、すこし注意が必要です。
研磨剤が含まれているコンパウンドやキズ消し剤を使った時に、消えないからと強く何度もこすってしまうと塗装面の艶まで落としてしまう可能性があります。
いくらキズ消し専用でも見えなくなるだけで、決してキズが埋まるわけではありません。
磨く時は力を入れず、しばらく磨いても効果がない場合はそこで諦めるようにしましょう。
キズのある車を高く売る方法は?
もし洗車や簡単な磨きで落とせない傷がある場合は、ある程度の減額は覚悟しなければなりません。
しかし高く売れないと諦めなくても大丈夫です。
なぜなら車の価値は外装のキズだけで決まるわけではありません。
車の価値は「車種」「年式」「走行距離」「グレード」などの基本情報と、「内外装」「エンジン」といった機関系の状態など、さまざまな要素が合わさって総合的に判断されます。
さらに人気や流行によって人気のある車種は高くなったり、人気のない車は安くなったりするのです。
とはいえ自分の車はどれくらい人気があって、相場価格がいくらなのかを知ることは難しいでしょう。
そこでキズがある状態でもいくらで売れるのか、高く買ってくれる買取店はどこなのかを探す必要があります。
車一括査定サイトで高く売れる買取店を探す

キズがついてしまった車を高く売るためには、一度の申し込みで複数の買取店に査定依頼ができる車一括査定サイトを利用するのがいいでしょう。
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車の相場価格を把握して高く買ってくれる買取店を探すには、たとえば5店舗以上、少なくとも3店舗以上から査定を受ける必要があります。
1社でも多くの買取店から査定を受けることで、車の相場価格が把握できるだけでなく、たとえキズがあっても車を買いたいという買取店に会いやすくなるのです。
さらに査定だけでなく店舗まで往復する時間も必要なため、買取店にいって査定してもらうとなると、多くても1日で回れるのは2店舗が限界でしょう。
そのため効率よく複数の買取店から査定を受けるためには、車一括査定サイトを上手に利用することが大切なのです。
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まとめ:キズやへこみがある車でも売却できる
ある程度の大きいキズがついてしまうと、査定額が下がることは避けれません。
しかし目立つキズがあるから売却価格は安くなってしまうだろうと、諦めないで査定前に洗車をしてワックスがけでツヤを出すだけでも、減点を避けることはできます。
そして少しでも高く売りたいのであれば、複数の買取店やディーラーなどで査定を受けて高く買ってくれる店舗を見つけることが大切です。
そうすることで満足できる価格で売却することもできるでしょう。
ただし修理に出したり、自分で修理はしないこと。
かかった費用の方が多くて結局マイナスになってしまうばかりか、かえって査定の評価を下げてしまう恐れもあります。
できるだけ高く売却したい場合は、事前に準備をして複数の買取店から査定を受けるようにしましょう。